津坂 憲(つさか・けん)
M&Aアドバイザリーグループ ヴァイスプレジデント
M&Aアドバイザリー業務を担当。
2017年に当社にインターンシップで参加した後、2018年に入社。
PEファンドや上場企業をクライアントとしたM&A案件を多数経験。当社での主な案件実績は、リバーサイド・パートナーズによるワイ・インターナショナルの売却、日本テレビホールディングスによるムラヤマホールディングスの買収など。
ニューヨーク生まれ、ニューヨーク・東京・モントリオール育ちのバイリンガル。
マギル大学経済学部卒、The American School in Japan (ASIJ) 卒
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インターンを経て入社されたそうですね。GAを選んだきっかけは何だったのですか
2017年にインターンとしてガーディアン・アドバイザーズ(以下 GA)に来て、2018年に社員として入社し、5年経ちました。今私は28歳ですが、トータル20年ぐらいを海外で過ごし、育ちました。
実は、父親がずっとM&AやPEファンドなど投資系の仕事をしていることもあり、経済学を専攻していた大学時代から、M&Aやコンサルティングに関心がありました。アメリカのコンサルティング会社でちょっと日本語が使える、というような働き方も考えたのですが、どうしても日本で働きたい気持ちが強くて。自分は日本人だし、自分自身の新しいチャレンジとして、日本で働きたかったのです。
米国企業での勤務経験もある父親が、「絶対ガーディアンの方がいい」と勧めてきたことも大きかったです。今思えば、自分自身が学びながら、組織と一緒に成長していける、という環境を、父親は見抜いていたのかもしれませんね。
インターンとして入った2017年当時は、GAには4、5人しかいませんでしたが、当時からずっとM&Aだけではなく、DXも合わせた二本柱で仕事をしていたのです。今でこそDXはバズワードになっていますが、そうなる以前の2017年当時から、事業経営におけるDXやITの重要性を認識していたGAに興味を持ちました。普通のコンサルティング会社より、こっちの方が絶対おもしろいだろうなと思って。今でも、M&AアドバイザリーとDXアドバイザリーを柱にしているところは、ほかに見当たらないように思います。
実際にオフィスに来てみて、30、40代ぐらいの人しかいなくて、結構おしゃれなオフィスで、なんだかスタートアップのような感じがしました。
――そもそも4、5人しかいない小さなオフィスにインターンでやってきたわけですが、実際そのインターンの1年、どういう風に育ててもらったのですか
当時は私自身の日本語レベルが低すぎて。クライアントと話すことすらできず、最初はファイナンシャルモデルの勉強や資料の作成などをやりました。大企業クライアントとの打ち合わせに出て議事録を任されることもありましたが、そういうミーティングに参加することができたのは、本当に良い経験だったと思います。
入社後は、日本語の力をつけるためにエグゼクティブ用の講師をマンツーマンで1年間つけてもらって、レベルアップすることができました。
――GAでは、クロスボーダー案件の実績もありますよね。若いのに海外経験の長い津坂さんにとってはアドバンテージなのでは
クロスボーダー案件はまだまだ少ないですけど、実績としては10件ぐらいあり、そのうち 2、3件ほど、私自身で担当してきました。国内案件では英語力を活かすことがなかなかできませんが、クロスボーダー案件なら、英語が話せるということはアドバンテージになります。
例えば、クライアントが日本企業の買い手で、相手方の売り手は海外の企業という場合、売主・買主の間のコミュニケーションをうまく繋ぐことはとても重要で、やはりそこで英語を話せないと難しいものがあります。
デューデリジェンスなど案件のプロセスにおいて、言語も含めた文化の違いはとても大きいですし、それをオンラインで進める力も求められます。そんな中で、クロスボーダー対応できるアドバイザーというのは、外資系を除けばなかなか日本に存在しません。GAはオンラインでのスピーディーな働き方に慣れていて、そのようなIT環境を構築できていることも、クロスボーダー対応では強みになります。
――小さな組織だからこそできていることかもしれませんね
競合他社と比べると、ディールの数こそ少ないですけど、案件の一つ一つをきちんとオフィサーレベルで管理し、案件ごとに明確なチーム体制を組んでサポートするので、案件を完了させるクローズ率は高い。きちんと成功まで導き、結果を出せるのは弊社の強みです。
――実際手がけた案件で印象に残っているものはありますか
初めて、最初から最後まで自分で全ての実務を担当した案件ですね。日本の大企業がクライアントで、買収対象は国内の会社なのですが株式は非居住者や外国籍の投資会社に分散保有されていました。上司のサポートを受け、部下に指示しながら、すべての実務を自分自身でリードした案件でした。
この案件では、売主である株主とのコミュニケーションが鍵になってくると最初からわかっていましたので、私の強みも活かせました。もちろん売主とのコミュニケーションだけではなく、クライアントチームとの連携も重要です。そして、取引ストラクチャーが複雑だったので、法務や税務チームなどとの連携も重要でした。
――特に困難なのはどういった部分なのですか
最終的にはクライアントが満足できる取引に仕上げることが弊社の目的で、そこでは信頼関係の構築が重要です。
そのためには、クライアントについて深く理解しておく必要があります。率直な、バイアスのないアドバイスを提供すること、そしてクライアントの社内の事情などを適切に汲み取ることも弊社の価値。どんな社内手続きがあり、誰がキーパーソンか、といったことはすべて把握した上で臨みました。
――ヴァイス・プレジデント(VP)になった今のご自身のチャレンジとは
VPになった今では営業活動にも取り組んでいますが、実際営業からクロージングまで全部に対応するのはかなり難しいです。
ただ、受注からクローズまで全部やるというチャンスは、業務が細分化されている大手の競合他社ではなかなかない。案件を提案するところから受注してクローズするまで、自分で最初から最後まで携わることができるので、本当にいろんな関係者と仲良くなったりできます。そこも、GAのいいところかなと思います。
M&Aのプロセスには法務や税務、財務なども含まれるので、広範な専門知識が必要です。日本語の勉強に加えて、最終的な譲渡契約の交渉において活きる法務や、税務の細かいところについても、もっと知識をつけなければと考えています。
――ご自身の成長とともにGAという組織も成長しています。社内の雰囲気はどうですか
みんなとても明るいですね。特に我々M&Aアドバイザリーグループは密にコミュニケーションをとっているので、うるさいくらいかもしれません。オープンなので、いつでも仕事について相談できる環境があります。
M&Aアドバイザリーグループには今、チームが二つあって、仕事は明確に分かれているのですが、どちらかのチームが案件をクローズしたら、みんなでお祝いしたりします。M&Aアドバイザリーグループが案件をクローズしたり、DXアドバイザリーグループがリピートを受注したりした時は、オフィスにいるメンバー全員でシャンパンで祝う恒例イベントもあり、M&AかDXかにかかわらず喜びを全社で分かち合っています。
今の組織は比較的若くて、20代中盤が多く、28歳の私は平均より少し頭が出ているくらいではないでしょうか。組織が若いということは、やはり弊社の一つの強みであると思います。
ただし、M&A業務においては、様々な領域における知識と経験が必要。若いメンバーに法務や税務、財務の専門的な知識を早く身につけてもらい、案件経験を積んでもらうことで、弊社はさらに伸びていけると思います。
――オフの時間にはどういうことをされているのですか
ゴルフですね。ゴルフはすごく好きで、M&Aアドバイザリーグループのメンバーとも一緒に行きます。あと、ジムにも結構行きます。それも、グループで1回行ったことがあるかな。わりとオフでも仕事の仲間とおつき合いをしていますね。あとはワイン。DXアドバイザリーのメンバーにワインエキスパートがいるので、最近は私もワインの世界を楽しむようになっています。